特長・基本的性質
高炉セメントコンクリートの基本的性質
01.強度発現性
- 高炉セメントは初期材齢の強度発現性がやや遅い
初期(材齢3,7日)強度は普通ポルトランドセメントの約75% - 材齢28日の強度は同程度になる
- 長期材齢では普通ポルトランドセメントより強度は高くなる
- 長期材齢設計によりセメント量を削減できる
02.強度の温度依存性
計画供用期間65年の場合のせき板の存置期間(日本建築学会)
冬季に高炉セメントを施工する場合の注意事項
- 反応遅延で強度発現低下
- コンクリートの凝結が遅延
- 初期養生厳守が重要
- 保温養生や給熱養生の実施
- 温度・養生の影響度は普通ポルトランドセメントより大きい
高炉セメントの利点(耐久性能)
01.塩分遮蔽効果
高炉セメントの塩分遮蔽性能(EPMA写真)
- 塩害抵抗性が向上(海岸や積雪寒冷地凍結防止剤の塩害対策に有効)
02.アルカリシリカ(ASR)反応抵抗性
高炉セメントのASR抑制効果
- 高炉セメントの使用はASR抑制対策(国土交通省の通達に反映)
03.化学抵抗性
耐薬品性試験(5wt% H2SO4 浸漬、浸漬期間:1ヶ月)
- 酸や硫酸塩への抵抗性が高い(下水道や温泉地の使用に有効)
04.一般環境における耐久性
水セメント比と耐用年数100年のかぶりの関係
※土木学会 2022年制定コンクリート標準示方書改訂資料より、作図
コンクリートの耐久設計基準強度
- 日本建築学会JASS5では上記の場合、高炉セメントB種の耐久設計基準強度は、普通ポルトランドセメントと同じ値を定めている
- 住宅の品質確保の促進に関する法律の住宅性能表示制度に対して、鐵鋼スラグ協会では国土交通大臣の特別評価方法の認定を取得しているので、ご活用ください
発熱特性と収縮特性
01.発熱特性
- 高炉セメントは初期発熱速度は緩やかで、マスコンの温度ひび割れ抑制の効果がある
- 材齢経過に伴い蓄積発熱も増大し、終局断熱温度上昇量は、普通ポルトランドセメントとほぼ同程度である
- 鐵鋼スラグ協会加盟会社では、低発熱型高炉セメントを上市している
02.収縮特性
- コンクリート乾燥収縮量はセメントによる違いは無い
- セメント種に比べ、骨材岩種による差の方が大きい
その他の特徴
01.養生
高炉セメントは水和速度が遅く強度発現が遅延するため、コンクリートの養生期間を延長するとともに、養生を入念に行う必要がある。
02.地盤改良材
高炉セメントが適用可能な土質は、砂質土、粘性土、シルト質土等の一般軟弱土がある。
還元雰囲気で製造される高炉スラグにはCr6+を含まないことから、高炉セメントはCr6+含有量が少なく、改良土からの溶出量は少ない。